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Channel: 国技の風景 大相撲寄せ太鼓
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開閉する国技館屋根の王冠

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 両国の新国技館が開館したのが昭和60年1月。開館当時は様々なメディアでこの国技の殿堂の特徴や最新設備が紹介された。しかし22年もの月日が経つと、へえ、そうなの~ということも多少出てくる。たとえば、この国技館の大屋根がそうだ。方形隅切り型の緑青瓦葺(ろくしょうかわらぶき)の屋根、そしてそのてっぺんに王冠のように載っている黄金色(黄土色)の頭飾りは、新国技館の格調高さを大きく印象付けるものだが、よほどの両国通でないと、この頭飾りが開閉するものだということを知らない。親方衆にもこのことを知らない人がだいぶ出てきた。あなたはこんな風景をご覧になったことはあるだろうか。 開館当初はアッピールの意味もあってよくこのように開けていたが、しばらくすると、ほとんど開かなくなった。もともと、これは火事など非常時の場合に排煙口とするために考えられたものであることを考えれば、別に開ける必要もなかったからである。一昨年からこのように開けることが多くなったのは、いい天気が続くのと、国技館のリニューアル工事にあわせて、安全の確認と、国技館の天井の大鉄傘(だいてっさん。大きな傘のように鉄骨がむき出しになった天井のこと)、ならびに場内の電気工事用の明り取りのためである(電気を点けるよりずっと明るいので、電気代の倹約にもなるし、外の空気も気持ちよいという)。 ところで、この国技館の大屋根、両国駅を国技館側に出たところにある公衆電話ボックスがその形を模していることにお気づきだろうか。また意外と気付かないのが、親方衆が入って正面玄関で皆さんをお迎えするチケットのもぎりボックスの屋根が国技館の形をしていることである。写真は場所のないときは外で日向ぼっこをしている小さな屋根と国技館の大屋根を重ね合わせた写真。残念ながらボックスの屋根のほうは開閉しない。

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